山陽日日新聞ロゴ 2004年4月6日(火)
伝統産業の再生
「尾道帆布 彩工房」オープン1か月
 帆布の良さを若い世代に
  携帯ストラップ、尾道新土産品に
展示の様子
 「若い人に尾道の伝統産業、帆布の良さを知っても
らうために開業しました」−。先輩にあたるNPO法
人「工房おのみち帆布」(木織雅子理事長)に続き、
土堂1丁目、DISC33杉原レコー堂2階に「尾道帆
布 彩工房」が先月6日にオープンし、1か月が経っ
た。古本朗代表(43)は「携帯ストラップが思った以
上に売れています」と子どもからお年寄りまで尾道土
産品として定着しつつあり、滑り出しは上々だという。
 天然素材が見直されるなか、備後地方で培われてき
た帆布をはじめ、松永の下駄や備後絣、府中の木工と
いった伝統産業再生に向け、次々と商品開発している。
 古本さんは慶応大学を卒業後、松下電器に入社、ヨ
ーロッパ向けのCDプレーヤーの営業を担当。28歳で
結婚、1年半後退社し、妻の実家のレコード店を継い
だ。「松下電器では消費者の生の声を聞くことが出来
なかった。レコード店ではお客と直に話し合えたのは
良かったです」。
 ニチイ尾道店(当時)に出店、年商1億円と絶好調
の時代もあった。しかしレコード、CDは作られた物
でどこでも同じ商品が同じ価格で売られ、面白味がな
いと10年後、店を妻に任せ、美ノ郷町の県営工業団地
に進出してきたシノプフーズに就職。コンビニのファ
ミリーマートに何万食もの弁当を供給する食品会社で
夜間に勤務、工場全体を任されるようになった。
 2年後、福山の外車BMWの販売会社に就職。購入
後のアフターフォローの担当で1200人の顧客のう
ち4か月で900人を訪問。400万円を超える高級
車で相手は会社社長、医師、時にはコワイ人らもおり、
人生勉強。
 サラリーマン時代から元々、企画は得意で「食品会
社やディラーで製造や生きた販売のノウハウを学びま
した」。
 そんな折、帆布との出会い。03年7月、離島百島で
開かれていた東京の美大生らによる帆布展を見学。
「伝統の帆布に熱い思いを込めて作っている若い人の
姿に感動しました。アレンジも見事で、これだと思い
ました」。
 その年の9月、福山商工会議所主催の創業塾を受講。
塾で知り合った仲間と一緒に帆布だけでなく備後表や
松永の下駄、府中の木工など伝統産業を組み合わせた
商品開発に動きだした。
 尾道帆布、彩工房には大小約500点の帆布商品を
展示販売。
 トートバッグやポーチなどと並び、一番の売れ筋商
品は携帯ストラップ。尾道名物の猫をイメージ、色も
14色と多彩で大人気。NTTドコモ、グリーンヒルホ
テル、土産品など市内14か所でも委託販売。携帯電話
は子どもからお年寄りまで今や必需品でまとめ買いす
る観光客でにぎわっている。「帆布はほつれやすく、
4重縫いで大変ですが、身近に帆布の良さを知っても
らううえでストラップは適していると思います。日常
生活の中に帆布を使いたい物があれば逆に提案しても
らいたいです」。      ・
 伝統素材の組み合わせでは「帆布・備後畳表敷き」。
リバーシプルで日本茶の場合は畳表、コーヒーは帆布
と両面使える。
 備後絣と帆布の巾着。松永の下駄では下駄表が帆布
で、鼻緒が備後畳表を使用。着物プームで工房おのみ
ち帆布の新作の帯と彩工房の下駄と.マッチ、ブーム
を呼びそう。
 「備後地方の伝統産業を見直し、現代風にアレンジ
して再生。特に若い人に伝統素材の良さを楽しんでも
らいたい」と意欲的。備後畳表と帆布の座布団を考案
中だという。
 なお、携帯ストラップの委託販売先を募っており、
問い合わせは古本さんまで。
場所はこちらの「お店」「お」




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