山陽日日新聞ロゴ 2004年3月28日(日)
自主的に広告塔撤去へ
 広島総合銀が景観考慮して
寺の門から見える広告塔
 土堂一丁目、広島総合銀行尾道支店は、5月にせと
うち銀行と合併して新しい銀行になるのに合わせ、こ
れまで支店の屋上にあった広告塔(1.6m四方×高さ約
11m)を撤去することにした。尾道市が掲げる世界
遺産登録への動きに呼応した動きで、民間企業から同
様の申し出があったのは初めて。
 市では個性ある町並みを守ることを目的に、1993年
に「景観形成指導要綱」を制定。尾道水道と尾道三山
に囲まれた旧市街地を「景観形成重点推進地区」に定
めて10mを超える構造物の新築、改築などの時には届
け出を呼び掛けており、構造物の形態や屋根の勾配、
素材、色彩など約10項目について、尾道の景観に合っ
ているかをチェック、指導している。
 さらに世界遺産登録を掲げてから以降は、重点推進
地区内で屋上広告塔を立てている事業者には、取り替
え時期などには撤去を検討してほしいことを伝えてい
る。
 そんななか広総では、新銀行名による広告塔の取り
替えを機に屋上からの撤去を決めたもので、市都市デ
ザイン課では「次に繋がってほしい」と話している。
世界遺産の動きに協力
 落ち着いた茶色に
   尾道郵便局が外壁塗り替え
塗り替えられた郵便局
 尾道郵便局(神鳥直行局長)は局舎の外壁を茶色に
塗り替えた(=写真)。
 8年から10年ごとに定期的に塗り替えているもので
(前回は1995年)、世界遺産登録を目指している亀田
市長からの直接の要請もあって、尾道の町並みをイメ
ージして、落ち着いた雰囲気の茶色にした。
 局舎は鉄筋コンクリート4階建ての延べ床面積四千
八百二十五平方m。合わせて商店街に面した南側ガラ
ス面を利用して、大きな尾道観光案内地図(縦176
×952cm)を新たに設置した。
 局では29日、リニューアル記念として、窓口で粗
品を贈ることにしている。

転載責任者メモ:2つの記事をひとまとめに転載したのは、大きな流れを
        感じて欲しかったからです。世界遺産という目標を立てる
        ことが、前進につながっていくという素晴らしさ。登録が
        実現するかどうかが本質ではないという事。
        景観に配慮するというのは古いまま何もかも残せということ
        ではないわけで、東京でも大いに参考にできる話です。


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