山陽日日新聞ロゴ 2004年3月9日(火)
まず自分自身が感じてから
 写真家 村上宏治氏ワークショップ
境内で話す村上さんと参加者
 世界遺産パネル展日本編を21日(日)まで開催中の
尾道市東久保町、国宝の寺浄土寺(小林海暢住職)で
7日午前9時半から、写真家村上宏治さん=尾道大講
師=によるワークショップ「文化財を写そう」が開か
れ、関係者も含め30人以上が参加した。
 村上さんは「普段は尾道大の学生相手に喋っている
ので、今日のように人生経験を沢山積まれた方を相手
にするのは、とても緊張している」と前置きしながら、
こういう場に来ると人はすぐにシャッターを切りたく
なるものだが、それでは良い写真は撮れない。最低で
も半年ぐらい飾っていても自分が飽きない写真を写す
ためには何が必要なのかと話し始めた。
 そして、浄土寺のような国宝級の寺は皆な、完全に
計算されて造られ伽藍配置されている。多宝塔は東か
ら昇ってくる朝陽とどうマッチするか、この寺域が日
没間近になると、どう陽がさすのか全て計算されてい
る。
 また、お寺には悲しい人、困った人、悩んでいる人
から願いがある人、喜んでいる人など様々な人が来る
もので、そういう万人ひとりの人に対して、この寺域
の中にピッタリ合う場所が必ず在るように造られてい
る。
 従って、すぐにシャッターを切ろうとせず、まずこ
の空間の中に我身を置いて、自分にピッタリくる空間
を身体で自然に感じるまで探してほしい。それを見つ
けると非常に自分らしい表現力を持った写真(作品)
が撮れるようになり、それは若い学生さん達よりも、
人生経験をより多く積んだ皆さん方こそ、味わい深い
奥深い作品が撮れるのではないかと、元々の寺の持つ
意味から分かりやすく解説した。
 出席者は阿弥陀堂外陣に展示してある村上作品も見
学し、各人各様の「浄土寺」探しに挑戦していた。

楽しいお話と写真のある村上さんのHPはこちら
浄土寺についてのページもあります

転載責任者メモ:写真を撮る心構えを教えて下さる深い話ですね。構図ばかりに
        気を取られて「心」の部分を忘れていた自分が恥ずかしい限り。
        その建物が持つ本来の意味を考えると、難しくもありますが
        楽しさもあると思いますね。


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