山陽日日新聞ロゴ 2003年9月11日(木)
大町地区「牛の皮城跡」など4遺跡
 御調で発掘調査すすむ
  尾道松江線工事で記録保存
遺跡
 中国横断道尾道・松江線のルート上に当たり、御調
インターチェンジのエリア内となる御調町大町地区で、
遺跡の発掘調査が行われている。
 広島県教育事業団事務局埋蔵文化財調査室(広島市
西区)が調査しているもので、昨年度の「曽川1号遺
跡」と「曽川2号遺跡」、「城根遺跡」に続いて、今
年度は「牛の皮城跡」を継続調査している。出土遺跡
を写真や資料に残す記録保存を目的にするもの。
 「曽川1号」は、弥生時代後期の竪穴住居跡やその
時代の土器を埋めた土坑、中近世の柱穴群、溝などを
確認。古墳時代や古代には集落があったと考えられる。
弥生土器、須恵器などが出土。
 「曽川2号」は、1号から西に100mほどの場所
で、古代末期から中世前期の掘立て柱建物跡、土坑を
確認。土師質土器、瓦器が出土。
 「城根」は曽川2号の南400mで、丘陵の細部に
位置。小児用と成人用の箱式石棺2基が出土。時期な
どは検討中。「牛の皮城跡」は、昨年度からの継続調
査。御調川の南側丘陵に位置する中世の山城で、北西
側の斜面から城の防御施設である竪堀とそれらの上端
をつなぐ横堀を検出した。鉄釘、皿、輸入陶磁器など
が出土。城主は在地の森光(毛利方)と伝えられてい
る。郭や堀の位置から東側の府中方面を堅固している。
 今年度はさらに城山の上部を発掘調査しており、現
場説明会も予定されている。調査は今年度中に終え、
資料に纏められる。
 =写真は、上が曽川1号で確認された竪穴住居跡
(県埋蔵文化財調査センター発行の「ひろしまの遺跡」
から)と、下が牛の皮城跡の山。尾道松江線の橋脚工
事が進む。



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