山陽日日新聞ロゴ 2003年6月6日(金)
「はやく大きくなぁれ」
  高見小5年生がヒラメ稚魚放流
海岸でバケツから放流
 向島町、高見小学校(岩田千賀子校長)の5年生19人は
5日午前、学校近くの海岸で栽培漁業で育てたヒラメの稚
魚約4000匹を放流した。
 総合的学習の時間で環境問題に取り組んでおり、向島町
漁協(永井健組合長)と尾三地域事務所農林水産課の協力
を得ておこなわれ、はじめに同課、村田憲一普及専門員か
らヒラメの栽培漁業の必要性、天然だと生まれて稚魚の段
階で生存率が1%を切るのに対し人工の栽培漁業は2割と
格段とよく、稚魚の放流を推進していると説明していた。
 ヒラメは竹原の栽培漁業センターで3月、種苗生産し、
5月13日、向島町漁協の中間育成施設に移され、ビタミン、
ミネラルなど栄養素の入った魚粉飼料を与え、体長約8セ
ンチ、体重3gにまで育てた。
 児童らはバケツにヒラメを入れ、向島町漁協の海岸で半
ズボン姿で膝小僧まで海水につかりながら「早く、おおき
くなあれ」とヒラメに呼び掛けながらバケツから放してや
っていた。
 坂田さん(10)は「ヒラメは可愛らしく、放流はたのし
かったです」と話していた。
 ヒラメは外敵から身を守るため周囲の色に同化、海中の
土に潜り、目だけ開け、小エビなど獲物を狙い生活してい
る。
 ヒラメの成長は早く、1年後には体長20センチ程度の成
魚に育ち、白身の刺身、唐揚げと食卓をにぎわす。


        


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