山陽日日新聞ロゴ 2003年5月22日(木)
初夏の味覚
 ハウス桃太郎、出荷に
  県内1の生産地、岩子島
摘み取り作業
 初夏を代表する味覚、トマトの出荷が県内1の産地、向島
町岩子島ではじまった。
 岡本隆博さん宅の7棟、20アールの加温ビニールハウスで
は完熟の真っ赤、ピンク色に染まった「桃太郎ヨーク」を妻、
勢子さんと一緒にハサミで丁寧に摘み取り、JA向島町の選
果場に搬送している。
 1か月育苗、苗を植えたのが2月中旬、ボイラーを炊き、
成長を速め、樹勢をみながら肥料や水をやってきた。
 「今年は2、3月と寒気が押し寄せ、また日照不足で例年
より1週間程度、成育が遅くなりました」(岡本さん)。
 5月の連休前から出荷、出遅れて量が少ないため、これま
で広島、福山など県内市場が主だったが、20日から、いよい
よ大消費地の大阪市場に出荷。4kg入りケースを1日1300ケ
ース、トラック搬送。値段は平均で1ケース当たり卸値で
1000円。出荷は8月中旬まで続く。
 向島町では大玉で病気に強い「桃太郎ヨーク」のほか「桃
太郎」、「桃太郎エイト」を栽培。出だしでも糖度は8度あ
り、「味はいけます」(JA向島)と太鼓判。
 JA向島町では更新された最新のトマト選果機が稼働。そ
れまで農家が選別していた2Sなど小玉まで自動選別、生産
者の省力化がはかられている。
 トマトは完熟しても鮮度は1週間保たれ、高級料亭の野菜
として、またサラダやサンドイッチ、クッキーと組み合わせ、
ウィスキーのつまみによく合うという。
 同町の昨年のトマトの生産高は650トン、売上げは1億
5000万円。今年も650トンで年商は1億5000万円
が目標。栽培面積は7ヘクタール、農家は53戸。



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