山陽日日新聞ロゴ 2003年5月20日(火)
重文阿弥陀堂での薪能
 ひと味違った幽玄な世界に
夜の舞台で能
 5月恒例の「尾道薪能」が17日夜、浄土寺境内で行われ、
700人の市民や観光客が訪れ、伝統文化を楽しんだ。
 今年はみなと祭の協賛イベントで、これまでの特設舞台を
止めて、12回目にして初めて国重要文化財の「阿弥陀堂」
(1345年再建)を舞台に開催。主演シテ方が父親である
重要無形文化財能楽保持者、吉田潔司さん(61)から若手の
長男、篤史さん(29)にバトンタッチされたこともあってか、
これまでになく高校生や大学生ら、若者の姿が多く見られた。
 潔司さんが能への誘いとして話し、山本孝司実行委員長が
「国宝、重文に囲まれて、能にはもってこいの環境で今日の
舞台を胸にとどめて下さい」とあいさつ。夕闇が迫るころ、
来賓の山崎市教育長らが薪に火を入れて雰囲気を演出した。
 仕舞「藤」を吉田潔司さん、「鵜飼」を井上嘉介さん、メ
イン舞台の能「放下僧」を吉田篤史さんが演じ、防火上の理
由で薪火2脚は客席より後ろに設置されていたが、お堂の中
には阿弥陀如来像、右手に国宝の多宝塔を仰ぎながらの鑑賞
に、これまでとはひと味違った幽玄な世界を堪能していた。


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