山陽日日新聞ロゴ 2003年3月13日(木)
天然ワカメの天日干し
 尾道水道風物詩の黒すだれ
尾道水道に並ぶワカメ 向こうに新尾道大橋
 尾道水道の早春の風物詩、ワカメを干した黒すだれが風に揺
れ、たなびいている。
 天然ワカメの採取はまだ夜が明け切らない、寒さで身が凍て
つく早朝5時ごろ、潮の引いた尾道水道、松永湾、岩子島地先
などで長さ5mにわたる竹の先にくし形に切った竹片を差し込
んだ道具で岩場に群生しているワカメを上手に巻き上げ、採っ
ている。手慣れた漁師は漁船を動かしながら、サデでワカメを
すくいあげている。
 採った天然ワカメは黒すだれにして2〜3日、天日で干し、
生乾きの状態で芯をとり、また筵の上で天日干し、生の状態か
ら10分の1まで縮む。
 今年はワカメの種つきが少ないうえ成育が遅く、小ぶり。
「小ぶりだけに大味ではなく、まろやかな味覚になるのでは」
(尾道漁協)と話していた。
 有名な鳴門ワカメは灰をふりかけ、水分を吸収し火力で乾燥、
それに比べ、尾道ワカメは天日で干し、ワカメ独特の濃い緑色
を失わず、見た目にも食欲をそそる。
 生産漁業者宅で予約注文、400gを1500円程度の値段
で販売している。


ニュース・メニューへ戻る