山陽日日新聞ロゴ 2003年3月5日(水)
シンポや映画上映
 二作家の生誕百年祭を
  夏に小津安二郎、初冬に林芙美子
若き日の林芙美子
 尾道ゆかりの作家林芙美子(1903〜1951年)=写真は市立図書
館蔵から=の生誕100周年を記念した事業が今年秋、尾道で
繰り広げられる。
 尾道市と広島県で計画をすすめており、近く実行委員会を立
ち上げる。9月から年末まである県民文化祭のイベントの1つ
として開くもの。予定では「放浪記」などの作品の朗読(コン
クール)会、市民劇団による公演、文学記念室での特別展、商
店街でのパネル展、しまなみ交流館でのシンポジウムなどを企
画。市は当初予算で362万円を計上した。
 目玉となるシンポジウムは、パネラーに全国的に知られる人
や地元の研究者数人を交え、芙美子について語り合う。芙美子
原作の映画作品を上映したい意向。
 全国的には、東京新宿の林芙美子記念館や戦時中疎開してい
た長野県山ノ内町の林芙美子文学館などでは、イベントが検討
されていると言う。
 映画『東京物語』でゆかりの小津安二郎監督(1903〜1963年)
の生誕100周年記念事業は、本紙正月号の特集のとおりで、
全国のゆかりの地や海外の映画祭で繰り広げられる。尾道では
8月22日から24日まで、しまなみ交流館で『晩春』や『東
京物語』、『秋刀魚の味』などの上映会、ゆかりの人を招いて
のトークショー、ロケ地巡りなどを企画している。『東京物語』
の撮影があったのが、1953年の8月だったことからこの時期に
合わせる。予算は林芙美子事業と同じ362万円。
 偶然ではあるが、同じ時代を生きた2人の作家を引きつけた、
当時の尾道という町の文化力を検証する良い契機ととなるかど
うか、現在の尾道の文化力が問われることにもなる。


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