山陽日日新聞ロゴ 2003年1月24日(金)
募金活動は継続
 船体の「ろっ骨」が形に
  木造船「呼子丸」の再建作業進む
船底の骨組み
 (続報)かつて瀬戸内の定期航路で活躍し、映画作家大林宣彦
監督の尾道作品《あした》にも登場する木造旅客船「呼子丸」
(創建時は「大福丸」)の復元作業が順調に進んでいる。
 木造船の文化と歴史、技術を後世に伝えようと、復元事業を
計画した市民グループ「呼子丸1/8再建おのみち実行委員会」
(大谷治代表)が一昨年秋から約10か月間、募金活動を展開、
一応の目途がたった昨年夏、創建当時の建造者で現役の船大工、
愛媛県の渡辺忠一さん(70)に再建を依頼したもので、現在は船
の基礎となる「ろっ骨」(約30本)と言われる船底のフレーム部
分を製作中(=写真左が渡辺さん)。
 たびたび渡辺さんの作業所を訪れ、工程の様子をビデオ映像
や写真で記録しているメンバーは、22日午後も5人が顔を出
し、作業を見守った。
 再建されている船は長さ3.3mで、実際の6分の1に縮小
されてはいるものの、大林監督から「『船の模型』では無くて、
当時木造船に活かされていた船大工の技術の粋が触れて見て分
かるように、世界一小さくてもいいから『実際の船』にして欲
しい」という要望もあったことから、1つ1つの小さな部位は、
全て当時の工法で丁寧に手作りされている。
 本体には国産のヒノキ材を使い、記憶を頼りに書いた設計図
をもとに、製材機で部位を形取って組み上げていく。必要にな
る部位は全体で数千個になるという。
 「やっと形が見えて来ましたね。『実際の船』を造るという
ことで、不細工な仕事は出来ません」と意気込む渡辺さん。今
や数少なくなった貴重な木造船の大工とあって、仕事の依頼は
とぎれることなく、テレビ出演や雑誌の取材も多い。完成は今
年7月末の予定。
 委員会では、現在までに約170万円の浄財を集めているが、
設置場所の整備費を含めた目標の300万円まで、さらに募金
を呼び掛けていく。


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