山陽日日新聞ロゴ 2003年1月12日(日)
矢放ち1年の無事祈る
 百島八幡神社でお弓神事を
並んで矢を放つ
 尾道市の離島百島で、550年以上の歴史がある百島八幡神
社(二五清文宮司)の新年恒例「お弓神事」が11日午前、境
内で繰り広げられた。厄除けと開運を願う市民が島内外から訪
れ、放たれる矢の行方を見守った。3人の市議会議員の姿も見
られた。
 総代会が主催して開いているもので、島内の福田と本村、泊
の3地区から選ばれた住民や出身者の男15人が射手として参
加。室町時代の守護大名赤松家の三巴の紋が入った袴を着て整
列。毎年、師範代をつとめている旗手孝文さんから手解きを受
けて本番にのぞんだ。
 約15m離れた的を目掛け大太鼓の音を合図に順々に矢を射
っていき、合わせて1人22本ずつを放った。土曜日とあって、
例年より多くの参拝者があり、的に当たるたびに拍手と声援が
おくられていた。
 百島のお弓神事の歴史は1441年の嘉吉の乱に遡り、敗れ
た赤松満祐の一族が百島に辿り着き、追っ手の来襲に備えて弓
を稽古したのが始まりとされる。現在は1年の無事と家内安全
の祈願祭として受け継がれている。


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