山陽日日新聞ロゴ 2003年1月1日(水)
11日から尾道市立美術館
 
外観だけでなく内容も
  ブーダン、モネの描いた風景
 ブーダンやモネの描いた風景に、あなただけの故郷を見つけ
て下さい−。建築家、安藤忠雄東大教授の設計により、リニュ
ーアルオープンする千光寺山頂、尾道市立美術館(森重彰文館
長)では、11日(土)から「印象派の故郷、ノルマンディーの
風景」のオープン記念特別展が開かれる。
 主催は同館と日本経済新聞社、中国新聞備後本社。後援がフ
ランス大使館、県教委、NHK広島放送局。
 11日午後2時から、カーン美術館長アラン・タピエ氏によ
る講演もある。
 あなたの故郷はどこですか?故郷とは、生まれ育った所でし
ょうか、それとも、幼い頃や若かりし頃、懸命に生きた記憶や
仲間たちと楽しく過ごした思い出のよみがえる、なつかしい場
所でしょうか。できるものならば足しげく訪れて、長く住みた
いと願うような、そんなところでしょうか。印象派の巨匠モネ
は、パリに生まれましたが、セーヌ河口の港町ル・アーヴルで
幼い頃を過ごし、晩年にはパリからセーヌ川を北へ下ったジヴ
ェルニーに睡蓮池を造って、移り住みました。ル・アーヴルと
ジヴェルニーはともに、ノルマンディーと呼ばれる、英仏海峡
に面した北フランスの地方にある町です。セーヌ河口の対岸の
町オンフルールにはまた、アトリエ村のような農場があって、
コローやクールベ、ブーダンやモネが訪れては、さまざまな世
代や技法や志を持った画家たちと交流しながら、制作に明け暮
れました。
 昔ながらの小さな漁港と市場、大型船の出入りする外港、奇
岩のそびえる海岸と海水浴客で賑わう浜辺、そして海の見える
高台の草原では、牛たちがのんびりと草をはむ牧場や、りんご
園を営む農場と、さまざまな表情を見せるノルマンディーの風
景は、いつも、たえまなく変化する広い空と海にかこまれてい
ます。浜辺で日傘をさしかけて制作に打ち込んだブーダンとそ
の指導のもとに、幼い日を過ごしたこの地ではじめて戸外で風
景を描いたというモネの、印象派の2人の父祖を生み育てたノ
ルマンディーの風景は、印象派や、パリに学んだ日本人画家た
ちの、心の故郷となったのです。彼らの描いたこの地の風景に
は、なつかしく温かな思い出があふれています。瀬戸内海のし
まなみに臨む<新生>尾道市立美術館で、印象派の画家たちが愛
してやまなかったノルマンディーの風景にふれて、本物の海と
本物の絵画の織りなす心癒される風景の中に、あなただけの故
郷を見つけてください。
 2月22日(土)からはリニューアル・オープン記念特別展第
二弾として「ゴッホのはね橋がやってきた」印象派のあゆみ展
が開催される。


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