山陽日日新聞ロゴ 2002年12月22日(日)
人間国宝松浦さん
尾道の浄土寺、西郷寺、西国寺、天寧寺
 
世界遺産 奈良の古刹と同格で
  第三弾「宮大工と歩く千年の古寺」
表紙
 最後の宮大工といわれ、技術者の人間国宝に指定されている
松浦昭次さん(73)の"温故知新"ベストセラーの第3弾「宮大工
と歩く千年の古寺」〜ここだけは見ておきたい古建築の美と技
〜(祥伝社刊、本体1600円)が刊行された。奈良・京都・滋賀・
近畿の古刹4群と一緒に第5章で『尾道の四寺』が紹介されて
おり、この1冊を読むだけで世界遺産に名乗りを上げる資格を
有していることがわかる、尾道と尾道人にとっては嬉しい必読
書の再登場となった。
 その値打ちを知るため第1章で歩く寺を紹介すると、法隆寺・
元興寺・興福寺・東大寺・唐招提寺・長谷寺・宝生寺。文字通
り古都奈良の世界遺産が並んでいる。
 第5章『のびやかな「中世」瀬戸内を歩く』−私が愛する創
意工夫に富んだ古建築−の項が尾道編になっている。
 順に地図2枚。浄土寺が640年間、無傷の「本堂」。西郷
寺が「本堂」の鳴き龍天井。西国寺が「金堂の舞良戸(まいら
ど)」。天寧寺が姿を変えた「三重塔」の説明付き。地図下が
福山・明王院で、この5寺で構成している。
 松浦さんは「鎌倉・室町という中世建築の素晴らしさに私が
気づいたのも、実は尾道でした」と自らと尾道の出会いを語り、
藤原という立派な姓のある東大寺を建てた宮大工2人が建築し
た浄土寺本堂を「軒反り」の美しさなどから「職人にとって一
番幸せなのは、思う存分に仕事が出来ること。都から離れ瀬戸
内にきた二人の宮大工は、しきたりや決め事から離れ、思う存
分に仕事をしたのでは...。 そんな喜びが込められている」と、
同じ宮大工の眼から表現している。
 そして「六寸のずれ」が表す意味や、西郷寺の「踊り念仏」
のためのお堂の造り方、西国寺の三重塔の眺め方、天寧寺が五
重塔から三重塔になったことなどの証明など215ページから
251ページまでをつかい紹介している。
 しかも、その最後の部分が「尾道ではゆっくりと坂道を歩き
たい」の見出しで、1泊ぐらいの余裕をもって、魚も酒もおい
しい尾道をとお推めまで付き「尾道では楽しい思いでばかり残
っている」と自身の好印象までが添えられている。
 第1弾の「宮大工千年の知恵」は本紙で大きく報道したこと
から、尾道では広く読まれている。2冊目が「宮大工千年の手
と技」。
 平成11年6月に「技術者の人間国宝」に指定されている。
現在も防府市の周防国分寺金堂の保存修理を棟梁として指揮。
 昭和39年から45年にかけ、副棟梁・棟梁として西郷寺の
本堂、山門。西国寺の本堂。浄土寺の茶室、阿弥陀堂、本堂、
山門を自らが修理している。

転載責任者メモ:だいぶ前に防府の国分寺に行った時に工事中で、
        「なんだ残念」とだけ思っていましたが、工事の
        様子をもっと見てくれば良かったと思いました。
        旅はありのままを見るもので、どうだから残念と
        いうようなものではないのでしょう。
        


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