山陽日日新聞ロゴ 2002年10月1日(火)
おのみち見て歩き
 
済法寺の磨崖仏に感動
  栗原川の改修や近代化遺産も
磨崖仏に見入る
 尾道文化財協会(菅野良三会長)は29日、今年度第2回「お
のみち見て歩き」を実施。千光寺山南西山麓に散在する文化遺産
を巡り、歴史のまちの奥深さをあらためて認識した。
 定員一杯の50人が尾道駅前のしまなみ交流館前に集合。市文
化財保護委員会参与森重彰文・市立美術館長の案内で、まず明治
24年に山陽鉄道駅として開業、昭和5年に改築され、県近代化
遺産として調査が行われたJR尾道駅の構造や歴史を。つづいて
昭和17年に設置され還暦を迎えた同駅北口前に大正12年竣工
し、同じく県近代化遺産調査の対象となった石井耳鼻咽喉科医院。
さらにかって栗原本通り筋を源流にしていた栗原川の改修。大正
14年にまず尾道−石畦間で開業し、昭和39年に中国バスに引
継がれた尾道鉄道元本社跡(現ポートプラザホテル)に歩を進め、
2年半後に合併する御調町市まで往復した電車の軌跡を辿った。
 このあと宝暦3年(1753)、広島・国泰寺住職物外こと不遷和尚
により開かれた三軒家町、曹洞宗済法寺を訪ね、拳骨和尚の異名
をもち、柔術不遷流開祖と武芸、さらには俳諧・書道にも長じ、
幕末動乱期に勤皇僧としても活躍した物外和尚にかかわる背負石
など見た後、恵山の千光寺山腹にかけ享和年間(1801〜3) 尾道の
石工により釈迦如来を頂点に18の転石巨岩に彫り込まれた十六
羅漢を主体に二十六尊者のノミ跡を草木を掻き分け巡拝。
 参加者の谷野さん(73)は「お寺には伺わせていただいています
が、この様な立派な磨崖仏があるとは知りませんでした。それに
してもここから見る景色の良さには驚きました。栗原川河口を中
心にした町の発展もうなずけます」と感動していた。

ニュース・メニューへ戻る