山陽日日新聞ロゴ 2002年9月5日(木)
《なごり雪》
 伊勢正三さん名曲を唄い紡ぐ
  
大林映画の新たな出発に
   監督と、恭子さん 古里尾道での撮影宣言を
大林監督、後藤市長、伊勢正三さん、大林恭子さん、伊勢知子さん、細山田隆人さん
ギターとハモニカで唄う伊勢さん
 (続報)大林宣彦監督の臼杵映画《なごり雪》のプレミアム上映
会が2日夜、しまなみ交流館で開かれ、満員の市民が訪れた。舞
台あいさつに続く上映後、作品の想を得た名曲『なごり雪』の作
者、伊勢正三さんのミニライブがあり、大林監督もトークと唄で
寄り添った。終盤には、尾道における21世紀の「大林映画」が
約束され、監督にとって古里での新たなスタートが切られた。3
日には主演の三浦友和さんを迎え、福山の県民文化センターであ
り、やはり満員の観客が訪れた。
 大林監督のピアノと伊勢さんのギターに調べによる即興のセッ
ションで幕が開き、後藤國利・臼杵市長を迎え入れた。尾道と臼
杵の海による繋り、臼杵八坂神社の太古からの縁、「待ち残し論」
などでトークセッション。
 大林監督は「後藤市長とは昨年春、初めてお会いして、『待ち
残し』の話を伺った。亀田市長も就任された時、『もうこれから
は、みだりに尾道の町を壊さず、皆で雑巾掛けして大事に守って
暮らしましょう』と言って下さり、嬉しかった。正にそういう時
代になったのだと思う」と話し、「古き良きものを大切に残し、
変わらずに新しくすることはとても難しいし、痩せ我慢が要りま
す」と後藤市長が応えた。
 伊勢さんは「尾道は、僕の古里大分の津久見に雰囲気が似てい
て、僕の感性そのものがある気がする。『なごり雪』は当時、九
州行きの夜行列車のイメージで書いたはずだったのが、今思うと
歌詞を書く時に心の中には古里の駅、それも上りのホームであっ
た。古里があることは有難く、僕の歌は古里との距離感が生んだ
と言える」と話した。
 《なごり雪》上映後、伊勢さんのライブでは『冬京』や『海岸
通り』、『22才の別れ』など70年代、グループ「風」のヒット
曲を披露。さらに撮影現場での光景をもとに監督が詞、伊勢さん
が曲を付けた新曲『泣く前』では、伊勢夫人の知子さんのピアノ
伴奏が加わり、3人でセッション。そして今に歌い継がれる『な
ごり雪』、『なごり雪』の姉妹作と言われる『君と歩いた青春』
を優しく唄いあげ、締めくくった。
 ライブの終盤、監督は「臼杵から尾道のことを考えて、色んな
ことが見えて来た。何だか新しい尾道の映画が撮れそうな気持ち
になっており、今日尾道の方々にお会い出来たことは本当に嬉し
かった。またキャメラを担いで尾道に戻って来ます」と語り、大
きな拍手を受けた。
 出演俳優の細山田隆人さんは「今度は撮影で尾道に来ます」。
伊勢知子さんは「尾道は何だか異国の雰囲気も感じさせながら、
実は純日本の町。大好きになりました」と語った。そしてプロデ
ューサーである大林恭子さんが「また、映画を撮りに尾道に帰っ
て来ます」と笑顔で宣言、さらに大きな拍手に包まれた。

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