山陽日日新聞ロゴ 2002年9月1日(日)
一宮さん青年部
 まず台座部分を秋までに、2年計画で完成
 太鼓続き 神輿づくりに初挑戦
  今年の例祭は鳳凰飾り合体で
台座の周りで青年部のメンバー
 尾道を代表する祭りの1つ東土堂町、吉備津彦神社(平田八千
枝宮司)の神輿が、製作経験のない氏子の共同作業により2年計
画で造られている。132年前の明治3年に奉納され、例祭「一
宮さん」の主役を果たす神輿の痛みが激しく、今年の港まつりに
参加し、雨に打たれたこともあり、漆部分の剥落も目立ち、そろ
そろ引退の時期ではと、誂えれば7〜800万円のかかる神輿を
材料代だけでと敬神の念厚い総代会青年部が立ち上がったもの。
第一段階となる台座部分がほぼ完了、その出来具合が専門家から
も高い評価を受け、今年の祭りは新調の台座部分と元の胴と屋根
を合体した神輿の巡幸となりそう。
 檜で造られた重さ約300kgの神輿は、屋根と胴、台座の3
部分にわかれ、組込まれていることに着目。建設会社に勤める長
尾健さんら青年部員30人が今年5月から挑戦。まず解体された
台座部分を千光寺グランド西斜面にある建設会社の倉庫に持ち込
み、113センチ四方の台に打ち込まれた紋や唐草などの金具を
取外し、組込まれた鳥居型の欄干など実測して細かい図面をつく
り、これをもとに釘を使わず木作りと真鍮板を加工した飾り金具
作りからはじめ、まず木組みの台座がほぼ完成、今月中旬には漆
塗りのため芦品郡新市町の業者におくりだす。あわせて台座を支
える長さ3.9mの担ぎ棒と巡幸の途次、休憩のさい使う移動足
場も新調。
 自前作りは青年部を中心に昭和62年に結成された組太鼓尾道
ベッチャー太鼓の楽員が太鼓を作ったことに自信をつけ、手掛け
ることになり、連日仕事が終わったあと作業所に通い、汗を流し
ているもの。製作に先立ち京都の業者を訪問、アドバイスを受け
るなどし、このほど出来上がり状況を写真にとり、あらためて訪
ねたところ、鳥居の反りなど原型を越える秀作との評価をうけス
タッフは大喜び、それでもまだ出来上がっていない擬宝珠など金
具の仕上げには慣れない金鋸や鋏、ポンチなどとの悪戦苦闘中と
か。長尾さんら「お宮の重みを感じながらお役に立つことができ、
作品も後世に残り光栄です。しかも部員の絆も深まり、これから
も頑張ります」と意気軒昂。
 11月1日から3日まで行われる今年の例祭は、本社に安置さ
れている胴と屋根を10月末には完成する新しい台と合体させた
神輿渡禦となるが、欠落している頭頂部の鳳凰の飾りを新調し新
たな門出を祝うことにしており、早くも来年に向けて屋根と胴部
分の準備に取り掛かっている。
 吉備津彦神社は、南北朝時代の後小松天皇(在位1382〜1412)
時代に創建されたと伝えられ、文化4年(1807)当時、疾病が流
行したさい平癒祈願。成就の日に神輿を奉じ、先祓いを獅子頭を
はじめ異様装束の3人(ショーキ、ベタ、ソバ)がつとめ、病家
を見舞ったのがベッチャー祭りの始まりで、市民俗文化財に指定
されている。

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