山陽日日新聞ロゴ 2002年7月18日(木)
白樺美術館で夏目漱石展が開幕
 
「漱石文学」の本質探る
   英留学帰国後の絵はがき中心に
漱石の絵はがき 柿の木
 尾道白樺美術館(石田克彦館長)で17日、「夏目漱石 水彩
絵はがき展」(尾道市、山陽日日新聞社など後援)が始まった。
10月14日まで。夏休み期間は無休。
 日本を代表する作家夏目漱石(1868〜1916年)は、雑誌「白樺」
の創刊号の巻頭に「それから論」を掲載されるなど、武者小路実
篤ら多くの文学者に敬愛された。文学活動の傍ら、書や絵画を嗜
み、友人に多くの自筆水彩画の絵はがきを出している。33歳で
ロンドンに2年留学、疲弊しきって帰国後の数年間は、特に集中
的に絵はがきを書いており、その後、「吾輩は猫である」や「坊
っちゃん」など文筆活動が多忙になったためか、その数は減った
という。
 展覧会は「吾輩は猫である」、「三四郎」など初版本の装幀を
依頼、親交の深かった橋口五葉とその兄貢に宛てた絵はがきを中
心に30点、志賀直哉ら白樺同人への書簡3点『ケーベル先生』
の生原稿、軸1点を並べ、作品の世界と周辺の人々との交流を紹
介している。「文学作品に出て来る女性像を想わせる水彩画作品
も見られ、漱石文学の本質と知られざる背景を見て頂ければ」と
佐藤学芸員。
 期間中の8月22日と9月26日午後2時からは、石田館長と
佐藤学芸員が作品解説するギャラリートーク、8月24日午後5
時半から、記念講演会を開く。入船裕二・尾道市文化協会長が話
す。定員60人で、申し込みが必要。無料。電話0848-20-7300番
へ。
(=写真の作品は明治38年橋口貢当ての絵はがき)。



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