山陽日日新聞ロゴ 2002年5月1日(水)
吉井長三さん
「あの時の掛軸お持ちの方は教えて」
  
自らの人生に師恩を重ねて
   44年振りに尾道で武者小路實篤展
武者小路實篤画  吉井長三 掛け軸の展示された以前の武者小路展
 開館3周年、4年目に入った尾道市久保3丁目尾道白樺美術館
(石田克彦館長)で、29日から白樺派生みの親武者小路實篤展
が始まった。吉井長三理事長にとっても、画商としてスタートし
たのが古里尾道における44年前の武者小路實篤展とあって、そ
の感慨もひとしお。「あの時、小林和作先生の肝煎りもあって、
20本近い武者先生の掛軸(=写真)が売れた。それをお持ちの
方は是非、知らせてほしい」と市民にお願いしている。
 昭和33年1月。展覧会を開くにも場所がなく、長江口の消防
署3階を借りてもらった。大看板も和作先生の手書き。
 画商として再出発(脱サラ)したいという自分を、和作先生、
武者先生らが一生懸命応援してくださったのが、あの展覧会と吉
井さんは語る。
 掛軸の1本は、三阪陶器店に買っていただいたという話を後で
聞いたことがあるが、お陰でほとんど全部売れた。それをお持ち
の方は、是非一度連絡してほしいとも。
 写真の絵は、武者小路實篤が吉井さん35歳の時に描いた油絵。
實篤は吉井さん夫妻の仲人までしている。吉井さん長男篤志さん
は、實篤の篤と志賀直哉の志をもらっている。
 この当時、午前中は原稿書き、午後からは絵を描くのが日課で、
必ず午後に訪問していた吉井さんを或日、描いてやろうと。
 休憩なしで2時間、1週間ぐらいぶっ続けでモデルをつとめた。
鼻の下はヒゲではなく剃り跡という。
 このモデルをつとめた時に、白樺派の生い立ちから志賀先生の
"秘話"まで、実に沢山の話をしてもらったのが財産。書き残せと
いう方も多いので、いつか書きたいと開館の挨拶の中で、武者先
生の思い出を披露した。
 吉井さんの人生の節目節目で贈られた色紙などから、吉井さん
の人生そのものと人間武者小路實篤が重なり合って織り成すユニ
ークな展覧会になっている。
 7月14日まで

 同館での開催の経過
 梅原龍三郎と白樺派展▽所蔵品展(梅原龍三郎、志賀直哉)
▽東山魁夷風景巡礼展▽ジョルジュ。ルオー展▽中川一政展▽志
賀直哉と白樺展▽白樺周辺の画家達展▽ディヴィット。ダグラス・
ダンカン展▽富岡鉄斎展▽中川一政挿絵展▽ハインリッヒ・フォ
ーゲラ展▽白樺と岸田劉生展▽岡本太郎展▽ベルナール・カトラ
ン展▽バーナード・リーチとその仲間たち▽武者小路實篤展。


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