山陽日日新聞ロゴ 2001年10月27日(土)
国の重要文化財
 3か年かけ総事業費約2億6千万円
  吉原家母屋を解体修理
   江戸時代初期、3世紀半振りに
重厚な葦葺き吉原家
 実に3世紀半振りの平成の大修理−。国の重要文化財に指定され
ている向島町江奥、吉原家住宅の母屋が366年振りに解体修理さ
れることが25日、内定した。平成9年に納屋と便所が本格的修理
を終えており、母屋の改築で吉原家の修理は一段落つく。
 吉原家の母屋は火災で焼失、江戸時代初期寛永12年(1635)に再
建され、今日に至っている。屋根は葦葺きで寄棟造り、タテ20.1m、
奥行き9.1mと県内の国重文住宅としては最大級。
 母屋の内部は土間には足踏みの臼が2台、格子戸を隔てて炊事場
があり、味噌などを作る石造りの竃(かまど)がある。土間を上が
ると南側に8畳の上の間、仏壇を備えた8畳のと4畳室、北側には
6畳の居間、納戸2室などで天井は竿縁天井、成りの高い鴨居や差
鴨居が多用されている。
 吉原家の所蔵文書で寛永時代の建築であることが明らかで、江戸
時代初期の住宅として非常に価値が高いとされている。
 3世紀半過ぎ、家屋は老朽化が著しく、天井に穴が開き雨漏りが
激しく屋根にはビニールシートがかぶせられている。土間部分の梁
や各部屋の柱は折れ、基礎の地盤が流出し建物が傾きかけており、
5〜6年前から毎年のように国に対して改修の要望を出し続けてき
た。
 県文化課を通して25日、文化庁の今年度後期予算で吉原家の改
修予算2000万円がついたとの内示があった。
 母屋と敷地内にある江戸時代後期、安政7年(1860)に建立された
鉄板葺きの小さな祠、鎮守社も改築されることになり総事業費は
2億5900万円、後期は今年度から33か月間で来年度、再来年度に
またがる。事業費のうち補助金は国が70%、県15%、町7.5%
の92.5%、残りが吉原家の負担。
 設計監理に当たる財団法人・文化財建築物保存技術協会の高村・
設計第1課長補佐が解体修理の実施設計を手掛け、1月に着工する。
 平成7年から事業費8768万円で3か年かけ、納屋と付属の便所を
改修しており、このたびの母屋の大改修で吉原家は一新される。
 吉原家の始祖は藤原鎌足の18代末裔、藤原親能といわれ、源頼
朝の家臣として各地を転々、室町時代文明年間(1469〜1486)に向島
に移り、向島町大町、吉原城に居を構えていた。江戸時代初期に帰
農、向島町江奥、吉原家に移り住み、以後、江戸時代末期まで代々、
向島西村の庄屋をつとめてきた。現代の当主で39代目を数える。
[写真は国の重文吉原家の全景(上)と母屋の上の間]


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