山陽日日新聞ロゴ 2001年10月5日(金)
柱や梁活かし
 大正ロマンの町づくりの実践
  
明治時代の店舗改修し
   鈴山さん兄妹きょう開店へ 茶と和菓子の甘味処に
お茶と茶菓子 兎兎庵(ととあん)
 復元と活用が検討されている元商工会議所ビルから西へ10数軒、
一番街商店街(土堂1丁目)にある明治時代の木造の商店が改修さ
れて、尾道には珍しい甘味処が5日、オープンすることになった。
 店主は同場所で子供服専門店を経営してきた鈴山さんと実妹の石
井さん。茶と和菓子について興味があり、研究を重ねてきた石井さ
んは「いつかは甘味処を大好きな尾道で−」と希望していたが、鈴
山さんが子供服店を近くの本店(ユリ)に統合して、そこを改修、
活用することにしたもの。店名は「ととあん」(兎兎庵)。
 先月前半から工事を開始。過程で天井板を撤去したところ、一抱
えもある大きな梁が出現したため、柱などと共に最大限に活用し、
壁にも古来の珪藻土を使うなど、日本家屋の落ち着きをもった店内
に仕上げた。2間間口の表には格子戸を立て付けるなど、工夫が見
られる(=写真)。「元々は履物屋だったと言います。いわゆる民
芸調ではなく、大正ロマンの雰囲気を作りたかった」と鈴山さん。
 設計・管理をしたのは新浜2丁目・大田建築設計事務所(大田貞
夫社長)。大田社長と言えば、大林宣彦監督の『転校生』以来、尾
道作品の大道具スタッフとしても知られ、長江口、茶房こもんの姉
妹店の改修建築などでも実績がある。
 メニューは煎茶と抹茶をベースに生菓子、団子、おはぎ、シーズ
ンごとの創作菓子から選べるセットやわらび餅などがある。テーブ
ルには石臼が一基ずつ置かれ、客自らが大豆を挽いて黄な粉にして、
わらび餅に付けて食べるという趣向も用意する。お茶は京都の一保
堂茶舗の商品を使うという。
 木曜日定休で、午前10時から午後6時まで。
 一番街商店街では、「大正ロマン」の町並みづくりを掲げており、
こうした一軒一軒の見識と努力が、第一歩であるという見本と言え
そう。


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