山陽日日新聞ロゴ 2001年9月7日(金)
向島中  毎日放課後、オリジナル曲特訓
 
「歌島響心太鼓」を披露
  3年生有志らが16日体育祭で
太鼓の練習に励む中学生
 郷土文化を大切に、その伝統を受け継いでいこうと今年から和太
鼓に取り組んでいる向島町、向島中学校は16日の体育祭にオリジ
ナル「歌島響心太鼓」を披露。毎日放課後、おこなっている練習に
も一段と熱がこもっている。
 吉永校長の発案で今年から音楽の授業や総合的学習の時間を活用
して太鼓の練習を始めた。町教育委員会も中学校での和太鼓演奏に
力を入れ、大太鼓1張り、長胴太鼓9張り、しめ太鼓5張り、チャ
パと鉦各1個を購入した。
 オリジナル太鼓は広島市、広島太鼓センターに依頼、作曲、振り
付けを委託した。出来上がった「歌島響心太鼓」は歌の島として商
港尾道の船運を担い、活躍した先人の築いた伝統、文化を受け継ご
うと海をテーマにした曲で第1章が「出港」、2章が「航海」、3
章が「帰港」と3部構成で演奏時間は約8分。力強く打ち下ろされ
る、ひと振りひと振りに港を離れ、多くの波を乗り越え、やがて帰
港する船に例えた、中学生の感覚にあった曲に仕上がっている。
 夏休み前に太鼓、曲とも届き、生徒会執行部と3年生有志17人
が夏休みを返上、週4回も練習に励み、2学期に入ると音楽、総合
的学習の時間のほか毎日放課後、体育館で突き破らんばかりの力強
い練習を繰り返し、初のお披露目となる体育祭に向け、したたり落
ちる汗をものともせず、太鼓を打ち鳴らしている。
 3年、生徒会長、重田君は「思っていたより難しいです。練習を
積んでやっと、自分の思った音が出せるようになりました。太鼓を
叩いている時は最高です」と完走を語っていた。
 指導に当たっている音楽の平田教諭は「まずお互いの音を聴くよ
うに指導。全体のハーモニーを奏でるまでになりました」と練習の
成果が上がってきているという。
 和太鼓の取り組みは学校全体でおこなわれ、3年生が「歌島響心
太鼓」、2年生は地元に伝わる「覚明太鼓」、1年生は机を手で叩
いたり、古雑誌をバチで叩き、リズム感を養っている。
 歌島響心太鼓は町内外の行事、イベントに積極的に参加。そのバ
チさばきをPRしていくという。
[写真は放課後、体育館で練習に励んでいる3年生]。


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