山陽日日新聞ロゴ 2001年9月1日(土)
大林監督『なごり雪』
 
尾道人は複雑な心境!?
  大分県臼杵市で新作映画ロケを
◎・・大林宣彦監督が、大分県臼杵市で新作映画『なごり雪』を撮
影すると地元向けに発表した。既に本紙連載中のエッセイ「新・日
日映画好日」で監督は、全国植樹祭での人との出会い、作品の着想、
ストーリー、製作に向けた動きなどを何項(1番、33番、34番、
37番、40番、41番)にもわたって述べているが、大分での
『新たなる飛翔』の姿は、嬉しいながらも、心ある尾道市民にとっ
ては少し複雑な心境にもなってくる。
◎・・各紙の伝えるところによると、ストーリーの想を得た名曲
「なごり雪」を作詞、作曲した同県津久見市出身の音楽家、伊勢正
三さんと並んで会見。臼杵の人情や残された美しい風景に見せられ
たことを語り、「大分は第二のふるさと。この作品を出発点に、末
永く大分映画を撮り続けたい」(読売)▽「99年まで約20年尾
道を舞台に撮り続け、開発から街を守るための戦いにひと区切りつ
けた。21世紀は、消費ではなく蓄積が力を持つ街を描きたい」
(朝日)▽「できれば、時間をかけて複数の映画を撮影したい(西
日本)と監督。『自身の故郷・尾道(広島県)を舞台にした「尾道
三部作」に続く「大分三部作」の制作にも意欲を見せた』(西日本)
などとも報じられている。
◎・・『21世紀の大林映画は大分で』(朝日)▽『大林監督が意
気込み』(大分合同)などという見出しと合わせて目にすると、尾
道人としては近年の町並みの変貌ぶり、対尾道市行政との関係を考
えるにつけ、残念であり、寂しくもある。
◎・・クランクインは10日、約1か月かけて臼杵と竹田市の岡城
址でロケする予定。出演は三浦友和さん、ベンガルさん、宝生舞さ
んら。オーディションによる新人女優も起用するもよう。
◎・・今回の県内向けの製作会見は大分県庁で行われ、後藤國利・
臼杵市長だけでなく、平松守彦知事が同席したことを見ても、その
歓迎ぶりと期待は予想以上に大きいと言える(記者・幾野伝)。


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