山陽日日新聞ロゴ 2001年7月26日(木)
『転校生』ロケから20年
 多くの人導く大林作品の再認識を
御袖天満宮の大林監督土堂小の同級生たち
 ◎・・大林宣彦映画監督が、古里尾道を舞台にした映画『転校生』
を制作して、この夏でちょうど20年になった。奇抜な発想で"青
春" を描いた作品は、斜陽と言われた日本映画界に衝撃を与え、高
い評価を受けた。それまでにも『東京物語』など数々の映画がこの
町では作られたが、尾道を「映画の町」に打ち立て、「良き日本の
生活文化を残す町」として多くの若者らを導くきっかけを築いた、
尾道的にはターニングポイントとなった作品、そして年代。
◎・・当時の本紙報道によると、『転校生』のロケは1981年8
月3日にスタート、同月末までの約1か月間、続いて9月初旬に実
景撮影が行われた。その間、監督は「風土の表情」と題して市主催
の講演もしており、クランクイン直前でのスポンサーの降板をはじ
め、ロケに至までの苦労など、語り継がれる逸話は、尾道作品の中
でも最も多い。翌82年4月17日に劇場公開された。
◎・・その節目となったこの夏、大林監督の母親、故大林千秋さん
にスポットをあてたテレビ番組『グレートマザー物語』の収録が尾
道で行われた(本紙既報)。監督自らロケ現場などを歩きながら幼
少時を振り返り、千秋さんの伴侶である大林義彦さんはじめ家族、
ゆかりの人達は出演しその半生を語るが、当然この中では、監督を
育んだ「尾道」という町の考察も行われる。
◎・・番組は参議院選挙当日の29日(日)午後6時半から、テレ
ビ朝日系列(広島ホームテレビ)で全国放映される。土堂小学校時
代の同級生との思い出話の場面もある予定(=写真上)。
◎・・『転校生』は、共に映画を作ってきた恭子夫人にとって初め
てのプロデュース作品でもあった。尾道の人によって、尾道で作ら
れた映画。この町を訪れる大半の人が、何かの形で大林作品、監督
の話し、文章、間接的な紹介などに触れたことが来尾のきっかけに
なっていると言われ、ここに暮らす市民、行政はその現実をもう1
度、再認識してみるべき、20年目の夏と言える。
 (=写真は『転校生』の印象的な撮影場所となった御袖天満宮で
の監督、今月初め)。


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