山陽日日新聞ロゴ 2001年6月3日(日)
彩墨画で表現
 吉原憲二さんの作品で
  尾道市が新しい観光ポスター制作
尾道観光ポスター 尾道水道・浄土寺
 観光ポスターといえば、その町の綺麗な風景写真でPRするのが普
通だが、そんなこれまでのイメージを脱却−。ほぼ2年に1度改訂を
繰り返して来ている尾道市が、新しい観光ポスターを制作、今回はい
わゆる"観光写真"を使わずに、絵の町らしく絵画作品を登用した。
 作者は吉原憲二さんで、東久保町、浄土寺裏手の小高い山腹から尾
道市内、尾道水道を望んだ風景を描いた彩墨画。全体は淡い藍色で仕
上げられ、西に沈む夕日は大きくて黄色い。市から依頼を受けた吉原
さんが春先に、色紙10号に制作した。シンプルな「おのみち」の文
字も吉原さんの手によるもの。
 「観光ポスターで、絵画を使うのは全国的にも珍しく、だから強い
インパクトがあるはず。観光ポスターの全国コンテストにもエントリ
ーしてみたい」と市観光文化課。「おのみち」の文字と簡単なアクセ
ス地図を入れただけで、普通見られるキャッチフレーズなどの言葉も
一切載せなかった。そして絵を引き立てるために、全体をフチで囲っ
たのが特徴。
 「書・絵・言葉」の三要素での表現を探求している、という吉原さ
んは「成就した今日の日よご苦労さん、明日も宜しくね、という願い
で夕日を描いた。写真は現実を伝えるだけだが、絵はその町の文化や
歴史、雰囲気を伝えることが出来る。ポスターを見て、尾道に行って
みたいなと思う人が1人でもいれば、制作者として嬉しい」と話して
いる。
 B1版を1000枚制作。市内でも間もなく、主要ポイントで目にする
ことが出来る。


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