山陽日日新聞ロゴ 2001年5月15日(火)
薪能に千人
 例年比べ若者の姿多く
  大学生用の鑑賞券が功奏してか
浄土寺境内に集まった人々 能を舞う
 第10回の節目となった「尾道薪能」が12日夜、東久保町、真言
宗浄土寺の境内で開催され、千人近い市民や観光客が訪れた(=写真)
 尾道足利氏ゆかりの会と尾道薪能実行委員会が主催。今年は美術学
科のある尾道大学が開学したことから、一般の3分の1の料金1000円
で鑑賞出来る大学生券を初めて販売したこともあってか、これまでに
なく若者グループの姿も多く見られた。
 これまでの北向きから、国宝多宝塔を横目に西向きの舞台に変更、
オープニングでは、初めての試みとして、能の衣装や面についての解
説もあり、能をより身近に感じさせる演出も行われた。
 日暮兵士郎。足利氏ゆかりの会々長が「20回に向けてさらなるご協
力を」とあいさつ。まだ夕日があたるなか、茂山忠三郎さんらが演じ
る狂言『口真似』では、太郎冠者の勘違いから繰り返される滑稽な立
ち振る舞いに観客からは大きな笑いがおこった。
 午後7時、かがり火に点火され、メイン舞台の能『胡蝶』が観世流
シテ方で重要無形文化財能楽保持者の吉田潔司さんらによって演じら
れ、鼓や笛の音、雅やかな衣装などが伝統芸能の世界に引き込んでい
た。


 

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