山陽日日新聞ロゴ 2001年4月15日(日)
市民の熱意で
 「裸の島」、「らくがき黒板」の三原で今月末
  尾道でも活動芽生える?
   7年振りの新藤兼人監督招き映画祭  
映画祭ポスター
 尾道にゆかりがあり、昨年尾道市がオープンさせた「おのみち映
画資料館」でも展示コーナーを設けている新藤兼人・映画監督を招
いての映画祭が、同じくゆかりの深い隣の三原市で27〜29日の
3日間、開かれる。また続いて来月3日と4日には、「インターナ
ショナルな小津安二郎『東京物語』尾道会議」と名付けられたイベ
ントが、因島市民によってここ尾道で、開催される。"映画の町"と
いわれる尾道だが、周辺の熱烈な映画ファンによって、その活動は
先を越されている感じもするが、尾道でも映画を鑑賞しようという
市民組織「尾道キネマクラブ」の立ち上げが検討されている。
 「みはら映画祭」は、市内で唯一だった映画館が昨年休館(状況
的には尾道と同じ)したことを受け、「三原から映画の灯を消すな」
と、ファンや新藤監督と親交のある市民30人が同実行委員会を立
ち上げて企画。大藤・かもめ信用金庫理事長を委員長に据え、三原
シネクラブの中野さん=写真の人=が中心になって準備してきた。
新藤監督を招いての映画祭は7年振りになる。尾道からも、新藤監
督作品「らくがき黒板」(1959年)の原作となった当時の小学校教諭、
青木さんや中野さんたちと長い付き合いのある元三原東高校教諭、
高垣さんが協力、当日に向けて広報活動などで参加している。
 海上は三原市円12丁目、三原市中央公民館大講堂(図書館側)
で、27日は午後2時と6時から「らくがき黒板」、3時と7時か
ら三原出身の田坂具隆監督の「路傍の石」(1938年)、28日は午後
2時と6時から新藤監督「生きたい」(1999年)を上映。29日は午
後2時から、新藤監督が「私と仕事」と題して記念講演、その後3
時と6時から最新作「三文役者」を県内初公開で上映する。「三文
役者」は役者殿山泰司さん(故人)をモデルに2年前、同士佐木島
や「裸の島」の舞台となった宿弥島、殿山さんの父親の出身地瀬戸
田でもロケされた作品。
 尾道市では昨年春、映画資料館の開館セレモニーに新藤監督の来
尾を要請したものの実現しなかったが、7年前に続いて、今回も監
督を招へいすることに成功した中野さんは、「新藤監督は高齢で、
長旅は大変だと聞いているが、三原を『第二の故郷』と呼ばれ、ロ
ケで協力した人にも会いたいと、楽しみに来られる。目を閉じると
『裸の島』の熱闘をいつも思いだし、新鮮な気持ちになる、とも言
われている。これを地元の映画ファンを掘り起こすきっかけにもし
たい。ぜひ、尾道からも映画祭にお出で下さい」と呼び掛けている。
 チケットは3日間通しの前売り券が2500円、29日の1日券
(前売りのみ)が1500円、27日、28日の1日券が1000円。
三原市中央公民館(電話0848-64-2137番)で販売。
 「インターナショナルな小津安二郎『東京物語』尾道会議」は、
会場はしまなみ交流館大会議室。主催は因島市椋浦町、地域再生プ
ロデューサー青木さんが代表の瀬戸内シネマネットワーク。3,4
日とも午前10時から、午後5時まで。
 「東京物語」誕生の地である尾道で将来「OZU映画祭」を開催
するのが目的で、今回は映画評論家の白井佳夫さん、映画監督斉藤
耕一さんを講師に招く。「東京物語」についての徹底討論のほかに
食事会、浄土寺など撮影現場の見学も行なう予定。参加協力費は2
日間で6000円。問い合わせは0845-22-7135番へ。青木さんは
「小津作品の最高傑作で、世界の映画史上でも輝く名作『東京物語』
について、故郷の尾道で語り合う意義は大きい。映画祭の開催に向
け多くの方のご協力を」とこちらも参加を訴えている。
 尾道市民によって現在設立が検討されている「尾道キネマクラブ」
は、映画上映を主目的にした親睦団体。事務局世話人は市観光文化
課の花本さんで、「尾道は、これまでに映画を作る町だったが、こ
れからは映画をしっかり観ることも必要」と設立趣旨を説明。14日
に開かれた、みはら映画祭の実行委員会にも勉強のためと出席、意
見交換など行なった(同クラブの活動に関しては、後日詳報する予
定)。


転載責任者メモ:映画を観光に利用する前に、まず観ること、愛することから
        始める。「尾道キネマクラブ」の趣旨がそうであるなら大歓迎。
        お役所が町おこしで始めると、そういう部分がすっぽり落ちる。
        役所が予算をとってやるからには"単年度の成果"も求められたり
        するから、役所の人もツラい部分です。映画という文化を教育
        委員会などでなく観光課が扱おうというのですから。。。(一番
        詳しいのが花本さん、と、組織より"人選"が優先したのかも?)
        「民間の映画好きの活動を役所がちょっと手伝う」ぐらいになって
        くると、尾道もいよいよ映画の町に。そうなれば期待は・・

 

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