山陽日日新聞ロゴ 2001年4月8日(日)
花月オープン
 消費税にもめげず値段16年間据え置き
  遠い昔のふるさとの味
   早や奈良からファンが買いに訪れる  
花月店頭の様子
 「遠い昔のふるさとの味」−。甘味料をいっさい使わず、自然風
味が持ち味の向島町川尻、アイスキャンディの店「花月」=木曽さ
ん経営=は3月27日の大安にオープン。三寒四温も過ぎ温かさも
増し、春休みには遠く奈良から学生がアイスキャンディを買いに訪
れていた。
 開業したのは昭和5年、今年で71年目。創業当時と変わらぬ昔
そのままのいちご、レモン、みかんなど8種類のアイスキャンディ。
合成着色、甘味料は一切使わず、自然の風味を生かした手作りのさ
っぱり味の人気は今でも健在。
 良心的な心遣いも人気の秘訣。というのも16年前からアイスキャ
ンディの値段は据え置いたまま。3%の消費税導入、5%アップに
もめげず、決して値上げしなかった。
 「正直言って経営的に楽ではありませんが、いつも買いに来る子
どもさんのことを考えると値上げできません」(木曽さん)。
 1度、アイスキャンディに味にしたしんだ人はその自然風味が忘
れられず毎年のようにリピート。本番の夏場になると何度も立ち寄
り、多い人は50本、100本と まとめ買いしている。
 口コミから評判が高まり、今では全国版のテレビ、新聞、雑誌に
再三再四、取り上げられ、関東、九州からもわざわざ、足を運んで
きている、
 夏場、立花の別荘で過ごす大林宣彦監督も花月の大ファン、舞台
美術の妹尾河童さん、映画「あした」に出演した高橋かおりさん、
「あの、夏の日」の小林桂樹さんらの色紙も来客の目を楽しませて
いる。
 木造で木の香りが漂いアンティクな店に新学期の始まる前の小学
生らが毎日のように「アイスキャンディ、ちょうだい」と訪れてい
る。
 営業は秋風が吹く10月末まで。


転載責任者メモ:地元の方の"花月評"が尾の道屋本舗さんの伝言板に。

 

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