山陽日日新聞ロゴ 2001年3月28日(水)
石工の妙技に感嘆
 向島歩こう会 尾道百碑めぐり中部版  
雨の西国寺
 向島歩こう会(藤田会長)は25日、「尾道百碑めぐり」中部版を
行い62人が参加、藤田会長の説明を聞きながら住吉神社〜西国寺〜
艮神社〜文学のこみちのコースを散策、81の碑のうち頌徳碑、歌碑、
磨崖仏など41に足を止めて見て回った。
 生憎の雨だったが西国大門を入った桜並木はすっかり蕾がふくら
み、雨に濡れた薄ピンクが春の風情を醸し出していた。
 長い石段を上がったところの初汐名石標の文字のうち「初」の字
とその側面の「明」の字が一部貫通している妙技こそ、尾道石工の
誇りだとみんな、うなずいていた。三重の塔近くの小林和作の墓に
ある筆塚や大師堂前の力石、それに句碑などの石造物に昔日の尾道
の繁栄のあとを偲んでいた。
 山城戸の柳水碑では今から400年以上も昔の文禄年中、豊臣秀
吉に茶を献じた取水井戸と伝えられる由来に聞き入っていた。
 千光寺付近では珍しい逆修塔(げきしゅとう。死ぬ前にあらかじ
め自分のために仏事を営み冥福を祈る)や尾道地方最古の磨崖仏を
興味深そうに見入っていた。
 歩き終わったあと、64歳女性は「私は晴れ女なのに今日雨でした。
でも色々と勉強になり、良かったです。藤田会長の説明をテープに
とって文章にまとめたらよいと思いました」感想をのべていた。

転載責任者メモ:こういう観点で歩くのも面白いですね。
        持光寺の門、八坂神社のかんざし灯籠、御袖天満宮の
        継ぎ目のない石段、福善寺墓地の多くの墓石など、
        石にまつわる見所も沢山あります。

       

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