山陽日日新聞ロゴ 2001年3月24日(土)
尾道〜土生〜弓削
 しまなみ海道に負けるな!

  島廻りの航路が復活を
   笠岡の老舗海運業者が手あげる  
尾道〜弓削航路の船ゴールドフェニックス
 高速道路のしまなみ海道の開通で、島々を結ぶ瀬戸内海の定期航
路の営業廃止がここ数十年相次いできたが、久々に新航路の明かり
が灯ることになった。
 中国運輸局尾道海運支局を通じて現在、新しい航路の申請が出さ
れているのは、尾道と愛媛県の弓削町を結ぶ定期旅客船で、しまな
み海道の全線開通とともに廃止された生活航路尾道−今治航路の
"一部復活"とも言える。申請者は岡山県笠岡市、藤井一彦さん。
 航路計画によると、尾道駅前桟橋と弓削港(23km)の間を走り、
途中に尾道新浜と因島土生の2か所に寄港する。片道所要時間は約
42分、夏季は1日6往復、冬季は5往復運航する。使用する船は
高速フェリー「ゴールドフェニックス」(19トン、速力22ノッ
ト)で定員90人。普通車を6台積載できるが、土生−弓削間のみ
の輸送となり、尾道−土生間は旅客だけとなる。
 新航路の経営に乗り出す藤井さんは、明治31年創業の海運業、
4代目社長。現在は笠岡と北木島を結ぶフェリー航路を経営してお
り、「母が生まれた伯方島の高齢者から、『橋が架かって、車に乗
らない人がとても不自由になった』と聞かされていた」と藤井さん。
やてみようか、どうしようかと迷っていたところ、尾道市が今年度
実施した『瀬戸内海新航路開発調査事業』の住民アンケートの結果
などを見て、「これなら何とか、やていけそうだ」と決断したとい
う。
 「笠岡から見ていて、尾道は昔から、海運業が華やかな町。私自
身が船乗りなので自分で運転するなどして、経費を抑えながらやっ
ていきたい」と語り、尾道に住みながら船を操ることにしている。
来週にも開設時期の見通しが出る見込み。
 海運業出身の亀田市長は就任当初から、「橋と船との共生が大切
で、これ以上瀬戸内海の生活航路の灯を消したくない、復活させた
い」と語ってきた。県の緊急雇用対策事業の1つとして島町民の意
識調査を実施、数年前の瀬戸田航路の存続に続いて、今回タイミン
グよく弓削航路の復活が実現、成果をあげた。
 しまなみ海道の開通と同時に、今治航路と松山航路が無くなり、
寂しくなっていた尾道駅前桟橋に、僅かながら賑わいが戻ってきそ
う。
(=写真は、就航を前にすでに駅前桟橋にスタンバイしている「ゴ
ールドフェニックス」)。

ニュース・メニューへ戻る