山陽日日新聞ロゴ 2000年8月26日(土)
 尾道市の対応決まる  3日(日)、東尾道でファンがお別れ会を
  31日引揚げ、4日から解体
   「呼子丸」再度の保存公開は困難
水没した呼子丸
 大林映画「あした」の遺産「呼子丸」の水没事故で、尾道市産業部
商工観光課は25日、「再度の保存公開に耐えうる補修を施すことは
困難である」との結論から、来月4日(月)から解体処分にすること
を決め公表した。
 市の公式な説明は次の通り。
〔対応方針〕『呼子丸』については、映画「あした」で使用されてい
た船舶であるため、映画の町・尾道の魅力をアップし、観光客の周遊
性を高める観点から、尾道市で所有。管理を引き受け、約5年間にわ
たり海上にて保存公開をしておりましたが、今回、船底部の破損、腐
食を原因に沈没いたしました。
 今後の対応について、専門的な意見も聴取いたしましたが、再度の
保存公開に耐え得る補修を施すことは困難であると思われるため、こ
の度、解体・処分を決定いたしました−。

 呼子丸が水没した8月6日夕刻以来、早急に廃船処理をするよう指
導を受けていた海上保安庁との協議を経て、許可を得次第、作業に着
手する。
 予定では31日(木)の夜間から、クレーンを使って船体を作業船
の船台に引揚げ、解体場所である東尾道へ、翌1日早朝までに運ぶ工
程。
 週明けの4日(月)から、呼子丸の解体作業に着手する。
 市商工観光課では、市内在住の「大林組」関係者と綿密に協議した
上で進行している。
 現在のところ、東尾道の解体場所付近で、大林映画「あした」に関
わった人たちと大林映画ファンの手で、「呼子丸とのお別れ会」が
3日の日曜日に現地で行われるのではないか、という可能性が大きく
なっている。
 今週初めに仕事で来広した大林宣彦映画監督と在尾関係者が、呼子
丸の一件で監督の意向を確認している。呼子丸の"葬儀"のような会が
催されるなら、監督も「出席したい」との意思表示があったといわれ
ているが、日程などもあり、そのことは決定していない状況。
 「呼子丸」の証となるようなものについては、解体の際に可能な限
り保存したい、と柚木商工観光課長は話している。
 『解体処分』の報が、全国のファンの間を駆け巡り3日のお別れ会
がどのように行われることになるのか、約1週間の時間しかないため、
慌ただしいスケジュールとなってくる。

転載責任者メモ:急のことですし、観光イベントと違ってパンフレットがあるわけでも
        ありませんので、「参加希望だがどうすれば?」という質問は市の
        商工観光課に問い合わせるしかないでしょう TEL 0848-25-7184

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