山陽日日新聞ロゴ 2000年8月20日(日)
 「供養の灯」幽玄の世界を
   持善院が恒例の精霊流し
集められた灯篭船と暗闇に列になって流れていく灯
 盆にお迎えした先祖の霊を帰す海上精霊流しが18日、三原市沖合
の青木瀬戸で行われ、暗い波間を漂う灯篭船の光の帯が幻想の世界を
繰り広げた。
 西久保町、真言宗持善院が30年前から送り盆の行事として実施し
ているもの。同日午後5時過ぎ、土堂1丁目の福本渡船桟橋からフェ
リーで出港、途中三原港桟橋に寄港、あわせて檀信徒約80人が乗り
込み、船上で秋の七草など描かれた高さ20センチ余りの6角型紙灯
篭に同じく紙製の蓮台を組み立て約500個の精霊船を完成させ、祭
壇を設け供養名が書き込まれた精霊船にローソクの灯が入り、藤井住
職を導師に孟蘭盆教を、ついでご詠歌、般若心境を唱和、先祖の霊を
慰めたあと、帯同した漁船を中継し、精霊船をつぎつぎ海上へ。
 折からの上げ潮に揺られながら供養の炎が海面に光の影を落とし、
弧を描きながら変幻自在に光の紋様を演出、参加者は思わず手をあわ
せ幽玄の境地にひたっていた。
 帰省していて参加した兵庫県の吉岡さん(63)の家族は「ふるさとの
床しい行事を体験させていただき、その美しい灯篭船には感動しまし
た」と話していた。


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