山陽日日新聞ロゴ 2000年8月18日(金)
杉原向島町長
 「補修、保存は難しい」
   「呼子丸」全体の傷み具合がひどく
 (続報)盆休みが明けて、尾道渡船桟橋に水没したまま係留されてい
る大林映画「あした」の遺産「呼子丸」の保存問題で進展があった。
 杉原孝一郎向島町長は盆休み中に「呼子丸」を実地検分した結果、
16日に尾道市商工観光課に対して「保存修復することは難しい」と、
現状向島町の考え方を伝えた。
 杉原町長は17日「船に乗船してみて、下(甲板など木材)が膿ん
でいる上にカサブタ状態。木板を叩いてもパンパンという音がしない。
船の骨格部分の木材がどういう状態かまでは判らないが、これ(全体
が傷んでいるというか腐りかけている)を修復するということになれ
ば、修繕は新造の3倍かかるというのが常識であり、非常に難しいの
で(町としては)断念せざるを得ない」との見解、認識を語った。
 一方、同桟橋に係留している尾道造船(株)の宮本社長は17日
「聞くところによると、1000万円以上もの修理費が掛かり、保存する
のは不可能との判断らしいが、マップにも掲載され現実に観光客が来
ており、なんとか保存できないものか」と語った。
 向島町から市への報告では、宮本社長が16、17日頃までに船大工を
入れて再調査。「係留して浮かべるだけの状態にして復元可能かどう
か」調査することになっている。
 この点について杉原町長は「尾道渡船の調査結果を待って、再度宮
本社長と協議してみる」と17日に話している。
 廃船にするのは何時でも出来る。その場合、寄付者の意思の確認が
必要との認識では、尾道市・向島町・尾道渡船の3者で一致している。
 また、どのような結論が近日中に出るにせよ、杉原町長は「インタ
ーネットなどで事情をよく説明し、全国の大林映画ファンに納得して
もらえるよう。仮に廃船にする場合でも、そのことをPR、周知徹底
する方策が要るので、その辺も尾道市とよく協議したい」と話した。
 大林映画ファンの間で、今回の呼子丸水没事件がどのように紹介さ
れ、対応策その他についての『世論』がどうなのか?。現状市商工観
光課では把握できていない。
 17日午前中までに、本紙にその点に関する情報は寄せられていな
い。
 仮に補修復元が不可能となった場合でも、「あした」の記念碑とし
て「呼子丸」を現在地で、どう"保存顕彰"していくか、といった問題
などが今後の課題となってくる。
 廃船にするのはいつでも出来る。なんとか保存する方策はないか?
という尾道渡船(株)の宮本社長の判断が、どのように下されるか、
がここ数日の最大の焦点になってきた。
宮本社長「諦めた」  「呼子丸」保存は絶望!?
 17日午前11時半、尾道市産業部(商工観光課)の岡本部長に、
向島町の多田産業経済課長から電話連絡が入り、「尾道渡船(株)の
宮本社長が(保存のための修繕を)諦めた」との情報が入った。
 これで現状では、「呼子丸」をなんとか保存するための修繕すると
いうことが絶望的になってきた。

転載責任者メモ:無理でしたか、、という残念な感じは否めませんが、老体にむち打ってきた
        「呼子丸」にこれ以上望むのは可哀想な感じも。「今後について」を考えて
        みるためには、どうしても映画資料館などの問題と切り離せない気もします。
        1.是が非でも残して欲しい
        2.手厚く、跡形もなく葬って欲しい
        3.備品など、少しは残して欲しい
        みなさんは、どうですか?

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