山陽日日新聞ロゴ 2000年8月1日(火)
 御座船が巡航
  提灯がゆらめき、優雅な調べ
  幻想的な"平安絵巻" 岩子島厳島神社管絃祭に1500人
岩子島厳島神社管絃祭の御座船
 向島町指定文化財、「岩子島厳島神社管絃祭」が30日夜 催され、
岩子島海水浴場沖合に船の提灯がゆらめき、幽玄な調べが響き、平安
絵巻が繰りひろげられていた。
 復活4年目、台風6号の影響が心配されていたが、風雨の難を逃れ、
町内外から約1500人が見物に訪れていた。
 午後6時、西の筆影山に夕日が沈む頃、松明を焚いたさいとう木を
先頭に大提灯をつけ、御神体の天秤を安置した御座船と伴走船2隻が
大鳥居を出発、塩釜神社沖合の尾道水道をゆっくりと御座船が旋回。
岩子島地区大組長が鯨島に上陸、海の守り神、鯨島神社にお神酒を供
え、昔ながらの海運の隆盛を祈った。
 夜の帳がおり、辺り一面暗闇につつまれると鯨島から御座船など4
隻が帰り、太鼓、鉦、笛による「ヂャンギリ」、「笙の笛」など神楽
の調べにのり、大鳥居前の海面をゆっくり3回円形にまわる"平安絵巻"。
4隻の提灯船の競演で水面に明かりがゆらめく幻想的なシルエットに
海岸の観客席から歓声があがっていた。〜中略〜
 大鳥居前に御座船がつくと永山・岩子島厳島神社宮司が出迎えの神
事。御神体の天秤が陸にあがるとリズミカルな天びん太鼓の演奏にあ
おられ、保存会と子ども会が四方の綱を引っ張りあい、勇壮に厳島神
社社殿をまわり、天秤をふたたび御座船に乗せ、管絃の演奏にのり、
ゆっくりと海上を巡航していた。
 「台風が心配でしたが、難を逃れ、人出も例年以上で楽しんでいた
だいたと思います」(三阪保存会長)と話していた。

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