山陽日日新聞ロゴ 1995年1月14日(土)
撮影後は保存を
 能美島から『あした』の脇役
  海のロケ決めた木造船来る
「呼子丸」へ改装前の三高丸
 大林監督作品『あした』のロケで使われる木造旅客船が12日午後、
尾道港に到着、スタッフらに出迎えられた。
 木造船は能美島、石河内さんの所有だった「三高(みたか)丸」
(1959年建造、30トン)。
 今では存在自体が珍しい木造船の在りかを尾道大林組のスタッフ
が調査、やっとの思いで三高丸に行きつき、何度となく撮影協力を
申し出て譲り受けたもの。
 大林監督が「オシャレなスタイルだ」と絶賛したとおり、長さ19
メートルの船体は窓枠をのぞいて純白で、背が高めの貴婦人といっ
たところ。「なかなか木造船が見つからない状況のなかで、監督自
身も原作どおりバス(陸)の物語で作るべきか、惑っていた時期に
出逢った船。これでキッパリ船(海)で作れると決心できた」(製
作担当・飯田康之さん)と話し、尾道・向島ロケを実現させた"功
労者" 。名脇役が期待されている。
 この日は、午前10時前に船主と別れて能美島を出発、150馬力
のエンジンを打ち鳴らして、約6時間かけてやって来た。船体には
船旗、松飾り、しめ飾りがつけられてあり、現役引退後も船主が敬
愛していたことがうかがえる。
 スタッフによれば、2月に入ってから少し色を塗り替えて、船名
『呼子丸』を掲げるという。
 撮影では、事故の遭遇で船を沈めるシーンもあり、すぐに引き上
げて、映画が完成した後、ロケ現場近くに記念に保存させる予定。

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