山陽日日新聞ロゴ 1998年8月11日(火)
晴れ間ぬって  故薩谷和夫さん思いながら
 山白屋前で葬儀シーン  エキストラ90人喪服姿で
山白屋前の葬儀シーン 石森さん山本晋也さんと監督
 大林宣彦監督作品『あの、夏の日』の尾道ロケで、多くのエキストラ
が出演する場面の撮影が9日、行われた。
 由太(厚木拓郎君)の家族の会話で出るイメージの場面で、「どこか
の家の前」の葬式の出棺中に、賢司郎おじいちゃん(小林桂樹さん)が
突然現れて参列者にラジオ体操をさせるというコミカルなシーン。
 その葬式の場所に使われたのが、千光寺新道の途中にあって立派な門
構えの山白屋の前。そして長年大林作品を美術監督として支え、93年
1月に他界、現在西願寺に眠る薩谷和夫さんの葬儀で設定された。
 出演は小林さんの他に、喪主役に大和田伸也さん、娘にはオーディシ
ョンで選ばれた1人の蓼沼千晶さん、住職に上田耕一さん、天宮良さん
ら。
 参列者のエキストラには脚本家の石森史郎さん、プロデューサーの芥
川保志さんをはじめ、スタッフや市民ら90人が喪服姿で協力。
 はげしい雨により撮影のとりかかりを遅らせたが、大林監督は「思え
ば薩谷さんが亡くなった日も雨が降っていた。なるほどこの雨は薩谷さ
んが降らせたのでしょう」と語りながら、「たとえ出来上がった画面に
自分の顔がうつってなくても、がっかりしないで下さい。その場の雰囲
気づくりには十分に役立っているのですから」などと協力者に説明、晴
れ間を見計らって撮影した。
 このシーンは朝日屋が協力、アドバイスし本物の葬儀風景を演出した。
エキストラ協力した1人は「初めは雨の中を待って、来るんじゃなかっ
たとも思いましたが、最後の監督の『OK、ありがとうございました』
という声を聞くと、いや、やっぱり来て参加してよかったと思いました」
と満足そうだった。


ニュース・メニューへ戻る  次へ >>