山陽日日新聞ロゴ 1998年7月25日(土)
『あの、夏の日』出演者、全スタッフ勢揃い

 8月末まで 
きょうから尾道ロケ 市政百周年記念する映画に
うしとら神社を参拝したスタッフ出演者
『ふたり』、『あした』に続く大林宣彦監督の新尾道三部作・三作目の市
政100周年記念映画『あの、夏の日』の尾道ロケがきょう25日から始
まる。大林監督が故郷・尾道でメガホンをふるうのは3年ぶりで、前回が
真冬だったのに対し今回は真夏の撮影となる。ロケは8月いっぱい尾道市
内と御調、向島町などの周辺部で続けられる。編集を終えて完成するのは
10月で、劇場公開は来年春の予定。尾道の町が例年になく暑く、賑やか
になりそうである。
『あの、夏の日』は山中恒さん原作「とんでろ じいちゃん」(第31回
野間児童文芸賞受賞作品)を映画化するもので、東京に住む小学生の少年
と尾道に暮らすおじいちゃんが主人公の冒険友情物語。いつも「どうして
かな」と考えてばかりいるので、皆から"ボケタ"と呼ばれている由太と、
おかしな行動をすることから、周りから"ボケタおじいさん"と思われてい
る由太の祖父、賢司郎。夏休みを尾道で一緒に過ごすことになり、2人は
賢司郎の子ども時代の世界とを行き来しながら、人の純粋な心を取り戻し
ていくストーリー。空想と現実、老人の過去と現在が入り交じる夢のあふ
れる体験の中から、つい忘れがちな、人生にとって大切なものを描き出す。
「甘く、切なく、しかし見終われば、途方もなく元気の出る映画」(芥川
保志プロデューサー)。
 出演者、メインスタッフは別欄のとおりで、24日午前までに尾道入り、
長江一丁目、艮神社でロケの安全と映画の無事完成を祈願し、撮影準備に
かかっていた。
 主なロケ地としては、文学記念館としての空き家活用が検討されている
東土堂町、福井邸▽御調町、綾目の民家▽竜王台団地の民家▽美ノ郷町三
成の民家▽JR尾道駅と福山駅▽新幹線と在来線の車内▽土堂海岸の波止
場▽土堂の小路▽東、西御所町の坂道▽山白屋と千光寺新道▽浦崎町の波
止場▽原田町梶山田の小川▽竜泉寺ダム上流▽御調八幡宮▽御調ダム上流
の草原▽尾道水道の渡船▽干汐海水浴場▽大町海水浴場▽岩子島海水浴場
▽千光寺山のポンポン岩▽摩訶衍寺・天寧寺・西国寺▽みろくの里など。
 25日、御調町でのロケでスタート。心配なのはいまだに梅雨明けして
いない天候。『あの、夏の日』・・・。関係者は少しでも早い"真夏の陽
射"を期待している。
7431人からの新星
 
佐野奈波さん蓼沼千晶さん 「出会っちゃった」と監督
大林監督、佐野さん、蓼沼さん
 全国から7341人の応募があったオーディションで大抜擢された佐野奈波
さん(19)と蓼沼(たてぬま)千晶さん(22)。これまで数多くの映画女優を育
てあげてきた大林作品。小林聡美、原田知代、石田ひかりさんらに続く新
星の門出が大きく注目されている。
 「選んだ、という意識は全くなくて『出会っちゃった』という感じです」
と大林監督。「やっぱり目の表情ですね。メイクや衣装でキャラクターは
作れますが、目だけは彼女たちの自前です。いじることは出来ません。
『私はここにいます』と目がかたりかけてきました」と2人の印象。
 「テレビドラマやバラエティー番組ですと、即戦力の女優が求められま
すが、映画は違います。『私』を表現するのに戸惑っている不器用さがあ
った方が、映画の中で育っていく時間に合います。自分自身の深みや時間
を持っていそうな想像をさせてくれる2人。つまり明日役に立たなくても
いいんです。(ちょっとずつ成長して)一生かかっても結果が出ないのが
素晴らしい映画女優なんですから」と期待をこめて2人の成長を見守るこ
とにしている。
 佐野さんは短大1年生、蓼沼さんはモデルの仕事をしてきた。ともに尾
道は初めて。
【登場人物】
大井賢司郎役   おじいちゃん     小林 桂樹
大井 由太役   ボケタ        厚木 拓郎(子役)
大井 亀乃役   おばあちゃん     菅井 きん

小林ミカリ役   マドンナ       勝野 雅奈恵
小林 雪路役   ミカリの母      入江 若葉

大井 昌文役   由太の父       嶋田 久作
大井 香里役   由太の母       松田 美由紀
大井エリカ役   由太の姉       佐野 奈波(新人・一般公募)

久保 勝彦役   昌文の担任(過去)   林  泰文
作兵衛  役   長恵寺の寺男(過去)  ミッキー・カーチス
長助   役   長恵寺の寺男(過去)  大前  均
小村 法善役   長恵寺の住職(過去)  上田 耕一

あづき屋治助役  氷屋のおやじ     山本 晋也
みなみ  役   氷屋の娘       芥川 志帆(子役)
白玉だんごを喰われる家の人たち役    根岸 季衣
白玉だんごを喰われる家の人たち役    ベンガル

薩谷 和高役   葬儀の喪主      大和田伸也
薩谷 夏子役   喪主の娘       蓼沼 千晶(新人・一般公募)
ビデオを撮る男役            天宮  良

少年時代の大井賢司郎役         久光 邦彦(子役)
ホラタコの多吉役 賢司郎の子分(過去)  小磯 勝弥
小林 玉役  あの、夏の日の少女(過去) 宮崎あおい(子役)

椎名 真弓役  由太の担任の美人先生  石田ひかり

【スタッフ】
製作      プライド・ワン
        ピー・エス・シー
特別協力    尾道市
企画・製作   芥川 保志(プライド・ワン)
        大林 恭子(ピー・エス・シー)
原作      山中  恒------『とんでろ じいちゃん』
        "第31回野間児童文芸賞受賞作品(旺文社刊)"
脚本      石森 史郎
        大林 宣彦
音楽      學 草太郎
        山下 康介(編曲・指揮)
プロデューサー 大林 恭子
        芥川 保志
撮影      坂本 典隆
美術      竹内 公一
照明      西表 灯光
音響デザイン  林  昌平
録音      内田  誠
編集      大林 宣彦
SFX監督   徳永 徹三
助監督     南  柱根
制作担当    飯田 康之
特殊撮影    渡邊 健治
スクリプター  椎塚 二三
ヘアー・メイク 岡野千江子
衣装      濱崎  洋
装飾・小道具  田中 良直
大道具     大田 貞男
スチール    石原 宏一
アシスタントプロデューサー 井瀧 誠司


転載責任者メモ:ロケ地の「民家」の部分は個人名を伏せました。
       (福井邸のみ、現在「文学の館」として
        一般公開されているのでそのまま載せました)

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